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『ベルセルク』(三浦建太郎)ロングレビュー! 3年ぶりの最新巻発売にファン大歓喜!! ガッツが! 鷹の団が! 動き始める!!

2016/08/17


話題の“あの”マンガの魅力を、作中カットとともにたっぷり紹介するロングレビュー。ときには漫画家ご本人からのコメントも!

今回紹介するのは『ベルセルク』

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『ベルセルク』第38巻
三浦建太郎 白泉社 ¥580+税
(2016年6月24日発売)


山が動いた。

約3年3カ月ぶりに『ベルセルク』の最新刊が登場した!
ファンたちは喜びに震え、そして慄いた。
自分たちが生きているうちに、この壮大なマンガの結末を見届けることが叶うのか……。

連載開始から約27年で38巻、ここ5年で3冊のペースでは不安を抱かれるのも無理はない。
が、「三浦建太郎もっと仕事しろ」とはだれも言わない。

その理由のトップに来るのは、ケタ外れの描きこみ。
「それは剣というにはあまりにも大きすぎた。大きく、分厚く、重く、そして大雑把すぎた」……と表現される“大剣ドラゴンころし”のすごみは、「まさに鉄塊」の描写だけにあらず。ただの人間は臓物をまき散らして吹っ飛び、雑魚の魔物はまとめ斬られ、それを正面から受け止める「使徒」――「人を捨てた者達」にも強さの説得力が求められる。

「ダークファンタジー」という言葉を、世界でもっとも生まじめにとらえているひとりが三浦建太郎。
戦火で荒れ果てた傷跡を残す大地、魔の巣食ううっそうとした森林、使徒の頂点に位置するゴッドハンドを生みだす「蝕」の狂宴。「地獄」という二文字を、脳細胞の隅々から一コマずつ絞りだす途方もない行い。
「緻密な絵画のクオリティで連載マンガ」を読ませてもらってる我々が、遅い! なんて言えるわけがない。

水平線まで見わたせるほどの街区を持つ王都・ファルコニア! 圧倒的な筆致に息を飲むこと必至だ。

水平線まで見わたせるほどの街区を持つ王都・ファルコニア! 圧倒的な筆致に息を飲むこと必至だ。

そしてベルセルクは作家とともに成長するマンガだ。
別のインタビューでも語られていたが、初期1~3巻では「黒い剣士・ガッツ」のイメージだけが先にあり、過去は何も決めてなかったという。
最初から全体像をつくり着地点を決める作家と違い、三浦は走りながら考え、世界を広げていく。

単行本情報

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